将棋界の夏を彩る伊藤園お〜いお茶杯第67期王位戦7番勝負(東京新聞主催)が4、5日、浜松市で開幕しました。6連覇中の藤井聡太王位(23)=六冠=に挑むのは、同い年のライバル、伊藤匠二冠(23)です。棋界の頂点を争う両者が激突した、開幕局の模様をリポートします。(※年齢は対局時)
◆対局続いた藤井王位、ピアノの調べに癒やされて
対局場の浜松市は、徳川家康が天下人となる足掛かりを築いた地で「出世の街」と呼ばれます。いずれも初訪問の両対局者は、対局前日に記者会見。伊藤二冠は「縁起のいい場所でいい対局を見せたい」とリラックスした表情です。一方、1日に静岡県沼津市で棋聖戦第3局を指し、棋聖を防衛したばかりの藤井王位は、やや連戦の疲れがあるようにも見えました。
「音楽の街」としても知られる浜松市。前夜祭では、将棋好きでもあるピアニストの田所光之マルセルさんが、ハイドンの「幻想曲」などを華やかに演奏。藤井王位は「繊細さと力強さ、輝かしさや静けさ、いろんな要素が詰まった演奏」と感動した様子でした。
◆伊藤匠二冠が藤井王位を「未知の局面」に引きずり込む
翌朝9時、浜松八幡宮楠倶楽部(くらぶ)で対局が開始。目下14連勝中と絶好調の藤井王位は、先手で十八番の「角換わり」戦法を選びます。午前中は手早く指し手が進みましたが、水面下では駆け引きが繰り広げられていました。伊藤二冠の周到な工夫により、駒組みの段階で「認識のない形になってしまった」と、藤井王位は局後に明かしました。
そのまま後手が6筋から開戦。未知の局面に引きずり込まれた藤井王位は「消去法」で強く反発する手を選びますが、「あまりうまくいっていなかった」。封じ手の局面では、早くも挑戦者が一本取った形です。
◆「ここまで指すとは」「意地ですね」
2日目、立会人の森内俊之九段(55)が読み上げた伊藤二冠の封じ手は、馬を取らせる間に後手陣へと迫る、踏み込んだ一手でした。その後も伊藤二冠は積極的な手を連発。形勢に差が開き、控室では藤井王位の早い投了もささやかれ...
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