映画「オブセッション 災愛」 PR

2026年7月17日

“災愛”上等!?小野乙葉、映画「オブセッション 災愛」から好きと執着を考える「歴代の元彼に謝罪したくなった!」

映画「オブセッション 災愛」が、7月17日に全国で公開された。

同作は、内向的な青年・ベアが思いを寄せるニッキーとの距離を縮めるため、不気味なおまじないに手を出したことから始まるロマンティックホラー。恋人になりたいという純粋な願いは、やがて狂気的な執着(オブセッション)へと変貌し、想像を絶する惨劇を招く。YouTube出身の新鋭監督カリー・バーカーの劇場長編デビュー作ながら、全米から全世界へと熱狂が広がり、21世紀に公開されたオリジナルホラー映画として、世界興収歴代1位の快挙を遂げた。

映画ナタリーでは、恋愛リアリティショーへの出演で恋愛観や自身の経験を率直に発信し、多くの支持を集める小野乙葉にインタビューを実施。「彼の香水付きのタオルを勝手に持って帰った」「歴代の元彼に謝罪したくなった」──赤裸々な恋愛エピソードとともに、自身の本音や「オブセッション 災愛」の魅力を語ってもらった。

取材・文 / 小林千絵撮影 / 西村満

映画「オブセッション 災愛」予告編公開中

「この仕事、私にぴったり! 最悪!」

──まずは映画のタイトルになっている「災愛」という造語の意味をお伝えしたいと思います。

【災愛】(さいあい)

〔名〕
①ある特定の人物に対して愛情が極度に集中し、愛情の過剰さが制御を失い、比喩的に「災害」のような惨事を引き起こすことをいう。
②そのような状態を生み出す、過度で破壊的な愛情の感情そのもの。

今回、この取材のお話をいただいて「オブセッション 災愛」の予告編を観てみたら、言葉の説明が載っていて「これ、私が考えたのかな」と思いました。それくらい自分がやりそうなことばかりで。「最愛」の「最」が「災」に変えられていることにも、「そりゃそうなるよね」と納得している自分がいたんです。それがもう怖くて。「この仕事、私にぴったり! 最悪!」って思いました(笑)。

小野乙葉。この取材のために新調したというワンピースは、肩紐や胸元に「愛」の文字をかたどったレースがふんだんにあしらわれている

小野乙葉。この取材のために新調したというワンピースは、肩紐や胸元に「愛」の文字をかたどったレースがふんだんにあしらわれている

──引き受けてくださりありがとうございます(笑)。愛情が思わぬ方向へと暴走していく「オブセッション 災愛」をご覧になって、率直にいかがでしたか?

普段、私はあまり実写映画を観ないので、最初は「英語のセリフ、日本語にするとこうなるんだ」とか、翻訳のほうに意識が向いていたんです(※海外滞在経験があるため)。だけど徐々に、ヒロインのニッキーの気持ちが気まずいぐらいにわかってきて……。さすがに私も「そこまではやっちゃダメだよね」っていうブレーキは持ちあわせていたので、観ながらそう思えることに安心する、みたいな感じでした。

映画「オブセッション 災愛」より、ヒロインのニッキー(演:インディ・ナヴァレッテ)。彼女に恋心を抱く主人公ベアが、願いを叶える不気味なおまじないに手を出したことから、異常な行動を見せるようになる

映画「オブセッション 災愛」より、ヒロインのニッキー(演:インディ・ナヴァレッテ)。彼女に恋心を抱く主人公ベアが、願いを叶える不気味なおまじないに手を出したことから、異常な行動を見せるようになる

──「ブレーキを持ちあわせていてよかった」と。

はい。ニッキーのことをヤバいと思える自分がいてよかったと思いました。でも話が進むたびに心がキュッてなりました。ニッキーと彼女を一途に思い続けるベアは、ある種の共依存だと思うのですが、当事者同士は自覚がないもの。この映画では、そんな関係性が客観的に描かれている気がして、改めて怖さも感じました。共依存ってお互いに「よかれと思ってやってあげた自分」とか「助けてあげている自分」に自惚れている状態でもあるので、愛している気持ちが強すぎるからこそ起きちゃった“災愛”なんだなって。

──もう「災愛」としか表しようのない状態だった?

正直、観るまではちょっとなめていたんですよ。「どうせ私みたいなメンヘラが出てくる映画なんだろう」って。でもそれだけじゃなくて、映像の迫力もすごかった。びっくりして身をすくめてしまう場面もありましたし。低予算で作られたと資料に書いてあったのに、全然そんなことを感じない迫力で、すごく面白かったです。「面白かった」と言っていいのかわかんないですけど。ニッキーへの共感が強い私ですら「怖い」と思ったから、そうじゃない人が観たらどうなっちゃうんだろうと思いました(笑)。

彼の香水付きのタオルを勝手に持って帰ったのは、一度きりじゃない

──だからホラー映画という形で映画になるのかもしれません(笑)。ベアに対してはどのように感じましたか?

ベアもベアで、基本的にはまともだけど、暴走しているニッキーを受け入れちゃっているところがあるじゃないですか。それを観ながら「気持ちはわかるけど、逃げなきゃいけないよね」と思いました。私がニッキーみたいに「何をしても受け止めてくれる」と思ってしまう性格になったのは、すべてを許容してくれる親がいたからだと、今は思うんです。だからベアが彼女の暴走まで許してしまうのはよくないなと思ったし、でも実はニッキーもベアが許してくれるように駆け引きしているところもあるのかなって。そこはちょっと自分も似ていることをやっている節があって気まずかったです。「私も駆け引きしていたのかな」って。

映画「オブセッション 災愛」より、主人公の青年ベア(演:マイケル・ジョンストン)。ニッキーの奇行におびえ、精神的に追い詰められていく

映画「オブセッション 災愛」より、主人公の青年ベア(演:マイケル・ジョンストン)。ニッキーの奇行におびえ、精神的に追い詰められていく

──ご自身としては駆け引きしているつもりはないわけですもんね。

そう。自分がしてほしいことや求めていることを、直接的な言葉で伝えるのではなくて遠回しに言うことで、相手がしてくれるように仕向けたり、我慢させたりしていたんだなって。

──劇中でいうと、ニッキーが夜中にベアの服を着ていたりするところあたり?

さすがに服は着ないですけど、でも彼の香水付きのタオルを勝手に持って帰るとかはよくやっていました。

──一度ではなく「よく」やっていたんですか!?

はい。1回きりじゃないです。あとよくやっていたのは、自分のものを彼の家にちょっとずつ置いて行って、ほかの女を入れさせないようにすること。だから彼の家を自分の家のようにするニッキーにも共感しました。

小野乙葉

小野乙葉

好かれたい一心で、相手の執着を生んでいたのかも

──ちなみに劇中で印象的だったキャラクターも……やはりニッキーですか?

ニッキーですね。でもベアの気持ちもわかる気がします。というのも、これまでの恋愛って、最初は絶対に私のほうが相手を好きなんですけど、相手は「好きじゃない」と言いながら、めちゃくちゃ私に縛られていて。私が大好きなことに安心しきって、いざ私が離れようとすると「無理!」ってなることが何度もあったんです。考えてみると、私は相手に好かれていないことがわかっているから、好かれたい一心で行動して、それが故に相手の執着を生み出していた。そういう意味では、自分はベア側でもあったのかなと思って……この取材のキャスティングをした人に拍手を送りたいくらい!(笑)

──本当にぴったりですね。

願いの柳(ワン・ウィッシュ・ウィロー)を使わなくても、ベアになれてる(笑)。そもそも私もベアと同じでスピ系なんです。

映画「オブセッション 災愛」より、主人公ベアが雑貨店で購入した“願いの柳(ワン・ウィッシュ・ウィロー)”。棒を2つに折ると願いが叶う

映画「オブセッション 災愛」より、主人公ベアが雑貨店で購入した“願いの柳(ワン・ウィッシュ・ウィロー)”。棒を2つに折ると願いが叶う

──ベアのように、何かにすがりたくなる気持ちもわかる?

わかります。今日着けているネックレスは隕石だし、アクセサリーはパワーストーン。神社もよく行くし、迷信も信じがち。だからベアがパワーストーンを買いに行ったときにも「すがっちゃうよね、わかるよ」と思いました。というか、劇中でベアが願いの柳(ワン・ウィッシュ・ウィロー)を買う前に、買うか悩んでいた黄色いパワーストーンあったじゃないですか。あれ、私も数日前に買うか悩んでいたものだったんです。

──ええ!

それを買わずに選んだのが、今日着けている指輪。だから映画を観ながら「もしかしてこの指輪にもやべえ力があるかも」と怖くなって、ちょっとの間だけ外していました。

小野乙葉

小野乙葉

──本当に乙葉さんのすべてが「災愛」とリンクしていますね! この映画、昔のご自身と今のご自身では、受け止め方は違うと思いますか?

観るまでは違うだろうなと思っていたんです。恋愛リアリティショーに出て発信力を持ってから恋愛面でブレーキを踏むようになったし、「ここまで感情を出せていいな」と思うくらいかなって。だけど観てみたら、普通に気まずかった(笑)。ニッキーにもベアにも「わかる、わかる」ってなったから、結局、心の中で思っていることは昔と変わっていなくて、行動に起こすかどうかの違いなんだなと思いました。っていうか、恋愛リアリティショーに出たことでメンヘラは卒業したと思っていたんです。恋愛よりも仕事モードで、“自分のやりたいことをやって強い女になる”という気持ちになったし。だけどニッキーを見て「これ、自分やん」と思ったから、結局はまだ抜け出せていないのかな。「ダメだこりゃ」って(笑)。

最新の特集・インタビューPR