自動車産業から軍事産業へ? 米防衛テックはなぜ「日産工場」取得へ協議するのか――完成車工場を巡る産業構造の転換とは

キーワード :
, ,
日産自動車が2028年3月末に生産終了を決めた追浜工場。54万平方メートル超の広大な跡地を巡り、米防衛テックによるドローン生産拠点化が急浮上した。背景にあるのは、自動車産業の資産流動化と防衛分野の量産需要の合流だ。専用工場から次世代製造基盤へと拡張する、日本のものづくりの地殻変動を読み解く。

基幹産業の転換点

日産自動車のロゴマーク(画像:時事)
日産自動車のロゴマーク(画像:時事)

 日産自動車・追浜工場(神奈川県横須賀市)は、日本初の本格的な自動車生産工場として1961(昭和36)年から操業を続け、日本の自動車産業を象徴してきた。この歴史的拠点に対し、日産は経営再建策の一環として2028年3月末までの車両生産終了を決定し、跡地利用を巡る多角的な動きが浮上している。

 売却先候補には、軍事用ドローンの生産拠点化を目指す米新興防衛企業Anduril Industries(アンドゥリル・インダストリーズ)の名前が挙がっているとロイター通信が報じた。これが実現すれば、自動車工場が防衛関連の生産基盤へ転換する象徴的事例となる。背景にあるのは、自動車産業の生産能力最適化と、安全保障環境の変化にともない防衛分野で高まる量産需要の合流という構造変化だ。

 追浜工場の行方は、自動車製造で培われた物理的インフラや生産ノウハウが業種をまたいで開放され、次世代ハードウェアを支える新たな基盤へと拡張していく未来の姿を明示している。

全てのコメントを見る
notification icon
プッシュ通知で最新ニュースをお届けします!