なぜ今、タクシーから「現金」が猛烈な勢いで消えているのか? 「現金じゃないとダメですか?」 23ポイント減が映す、乗客の新たな選択基準
2年間で現金決済が23ポイント急減し、主要業種で最も激しくデジタル化の波が押し寄せるタクシー産業。アプリ配車やスマホ決済の浸透は顧客体験(CX)を劇的に進化させ、今や支払いやすさが最大の競争条件となった。手数料負担や情報格差の課題を抱えつつ、構造転換を加速させるモビリティ経済の今に迫る。
加速するタクシーの現金離れ

タクシー車内で、現金を取り出す光景が急速に減っている――キャッシュレス決済の普及自体は珍しい話ではない。しかし、最新調査が示した変化は、その速度にある。対面15業種を比較したところ、この2年間で現金利用の減少幅が最も大きかったのはタクシーだった。移動というサービスの現場で、乗客がタクシーに求める条件が変わり始めている可能性が浮かび上がる。インフキュリオン(東京都千代田区)が2026年4月に実施した「決済動向2026年調査」によると、全国の16~69歳の男女2万人を対象とした調査の中で、対面15業種の主要決済手段を比較した結果、タクシーでは現金利用が過去2年間で23ポイント減少した。一方で、クレジットカード利用とコード決済はいずれも11ポイント増加している。
調査はインターネット方式で実施され、全体調査は2万人、さらに勤労状況や世帯年収などを考慮して抽出した824人を対象に詳細調査も行われた。飲食店や病院などでも現金利用は減少しているが、減少幅ではタクシーが最も大きかった。これは、タクシー利用者の支払い方法が短期間で大きく変化したことを示しているだろう。


